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  • 2018.08.31
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crash.academyの新着講座公開のお知らせ:8月

crash.academy(ITエンジニア向け学習&キャリアサービス)に、今月新たに公開された講座をご紹介します。

量子コンピューティングの現状と課題
量子コンピューティングの現状と課題

マルレク(丸山不二夫 氏)「 量子コンピューティングの現状と課題 」の様子を動画でお届けします。

<開催趣旨:丸山不二夫氏より>
「近未来の計算技術」としての量子コンピューティングに対する関心は、高いものがあります。本回は、量子コンピューティングの現状と課題について、情報を共有することを目的としています。
ここでは、今回の前提となる量子コンピュータの歴史の部分を紹介したいと思います。

量子コンピュータのコンセプトは、1982年に物理学者のファインマンが、「量子力学をコンピュータでシミュレートする」というアイデアを出した時に遡ります。1986年には、物理学者のドイッチェが、コンピューターの計算可能性を理論的に定式化した「チャーチ・チューリングのテーゼ」を、量子コンピュータにも拡張します。ただ、この80年代、量子コンピュータに対する関心は、物理学者の一部に限られていたと思います。
90年代に入って、IBMのショアが、量子コンピュータを用いた素因数分解アルゴリズムを発見します。1994年のことです。量子コンピュータに対する関心は、IT業界も巻き込んで大きく広がります。なぜなら、ショアのアルゴリズを実行するマシンができたら、現代のネットワーク社会のセキュリティの基礎である暗号化技術はたやすく破られるからです。

幸か不幸か、ショアのアルゴリズムが動く量子コンピュータは、実現できませんでした。ショアのアルゴリズムを実装するために必要な量子周囲の数は膨大なもので、かつ、周囲のノイズの影響を強く受ける量子回路には不可欠な量子エラー訂正回路も、量子回路の数を雪だるま式に増やすことになります。重要なことは、こうした状況は、現在も基本的には変わっていないのです。こうして、量子コンピュータに対する関心は、だんだん醒めて行きます。

2010年代に入って、量子ゲート型の量子コンピュータの将来性に見切りをつけた人たちが、新しいアーキテクチャーである量子アニーリング型の量子コンピュータを開発し、商用化します。ローズ率いるD-Wave社は、その代表例です。ただ、彼らの「量子コンピュータ」が、本当に、量子的な効果を利用していて、古典的なコンピュータより速いかをめぐって、激しい論争が巻き起こります。
こうした歴史を知ることは、現在の量子コンピュータの到達点と課題を、理解する上で基本的な前提になると思います。

公開日:2018/08/09

冒頭部分は無料でご視聴いただけます。
ぜひご覧ください。