Cloudflare(クラウドフレア)とは?仕組みや導入するメリット

はじめに
この記事では、「Cloudflare」の概要をご説明し、その仕組みや導入のメリット・デメリット、設定方法などをご紹介します。
Cloudflare(クラウドフレア)とは
詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
![]() | 参考コラム:CDNとは?CDNの基本からメリット・デメリット、業者選定のポイントを解説 |
CDNを提供するサービスは複数ありますが、世界シェア1位を誇っているのがCloudflareで、W3C Techの調査結果(https://w3techs.com/technologies/cross/proxy/content_delivery)によるとCloudflareはCDNの市場シェアの8割を占めているとされています。
国内大手ファッションECサイトからグローバル企業まで、さまざまな企業サイトで導入されています。
Cloudflareの安全性
Cloudflareは海外の企業によるCDNサービスですが、日本でも広く利用されており、Cloudflareの導入支援サービスもあります。またCloudflareはAIを活用した機能をはじめ、現在も新機能を提供し続けています。Cloudflareを活用すれば、日々進化するセキュリティ上の脅威に対抗し、自サイトの安全性を高めることが可能です。
Cloudflareの特徴やメリット
ページ表示の高速化ができる
CloudflareでCDNを導入すればサーバの負荷を減らしながらユーザ側でのWebサイト表示を最適化できるメリットがあります。
ページ表示の速度が遅いと、SEO評価やユーザの満足度が低下してしまうため、ページの表示速度はとても大切です。Cloudflareを導入しページの表示を高速化させることで、ユーザの利便性をより向上させられるでしょう。自社サイトのコンバージョン率向上にもつながることが期待できます。
設定が簡単にできる
数あるCDNサービスのなかでも、Cloudflareは導入の手順が簡単です。専門用語などが分からなくても数分~10分ほどで登録と設定ができ、利用を開始できます。
また、Cloudflareの設定画面(ダッシュボード)には日本語表示が完備されているため、利用しやすくなっています。
無料でも導入できる
Cloudflareには無料プランもあり、登録時に無料プランを申し込めば基本的に無料で利用することができます。まずは無料プランで利用を開始し、機能や使い勝手を確認した後に有料プランに移行するということが可能です。
セキュリティ対策強化ができる
Cloudflareを導入することで、セキュリティ対策を強化できる点も大きなメリットです。
Cloudflareには、Webサイトの脆弱性を狙った攻撃からサイトを守る機能「WAF(Web Application Firewall)」が標準搭載されています。サイトの脆弱性に対する攻撃や悪質なbotによる攻撃、DDoS攻撃など、従来のファイアウォールでは防げないサイバー攻撃からもサイトを保護します。
難しい設定をせずデフォルトの状態でもさまざまな攻撃に対応することができ、予期していない攻撃に対してもですぐさま対策を打つことができます。
![]() | 参考コラム:実際の攻撃をCloudflare(クラウドフレア)の各種セキュリティ機能で防御/対策したケースの紹介 |
信頼性の高いサイト構築ができる
頻繁にサーバーダウンとなるサービスは信頼性が低くなるものですが、Cloudflareでは簡単にサーバーダウンしない仕組みを有しています。1つのサーバーに負荷がかからないようネットワーク量のバランスを取っており、1台のサーバーが停止しても自動的にバックアップサーバーに切り替える「フェイルオーバー」を行います。
またサイトのページ読み込みに時間がかかる場合、ユーザーからの信頼を損ねる可能性があります。Cloudflareではページ読み込み遅延の原因のひとつであるネットワーク輻輳(ふくそう)を検出し、迂回してルーティングを行い、読み込み遅延を防ぎます。
画像変換や待機室など機能が充実
サイト表示を快適にするためには、画像の最適化も効果的です。Cloudflareでは画像変換ツールや順番待ちの仕組み「オンライン待機室機能」を提供しています。
また2024年に入ってからは、AIによる新たな脅威に対してAIで企業・組織を保護する「Defensive AI」や生成系AIサービス「Workers AI」というように、AIに関する機能を提供するなど、新機能の提供頻度は活発です。
機能は常に開発・改良されており、より良いサービスを提供するための継続的なアップデートが行われています。
![]() | 参考コラム:Cloudflare R2(beta)を動作検証ーS3との比較やGUIの使い勝手も確認 |
![]() | 参考コラム:Cloudflareの「待合室(Waiting Room)」とは? |
Cloudflareの導入によるデメリット・注意点
Cloudflareがダウンするとサイトの利用ができない
Cloudflareを導入すると、訪問したサイトすべてCloudflareを経由して表示されることとなります。万が一Cloudflareに障害が発生すると、サーバ側が正常に動いている場合であってもWebサイトが閲覧できなくなってしまいます。
WordPressを利用している場合は注意が必要
CloudflareはWordPressでも利用できるため、WordPressでの利用を考えている方も多いと思います。
しかし、CloudflareをWordPressで使う場合、ページルール(Page Rules)の設定を適正に行っていないとキャッシュ事故と呼ばれる重大な不具合を招く恐れがあるため注意しましょう。
例えば、サイトの管理者がWordPressの管理画面にログインしているタイミングでキャッシュが行われると、管理画面のメニューや記事の下書きがユーザに見えてしまう可能性があります。また、編集ボタンでサイトがユーザ側から編集できる状態になってしまうかもしれません。
CloudflareをWordPressで使う場合は、キャッシュに関するルールの設定を必ず正しく行った上で利用しましょう。
適切に運用するには知識が必要
WordPressの設定例で分かる通り、適切に運用するには最低限の知識が必要となります。管理画面で簡単に設定の編集ができますが、設定ミスが大きな事故に繋がる可能性もあります。
テスト環境での十分なテストや、不安な場合はメールやチャットでのサポートを受けることが必要となります。
Cloudflareの導入がおすすめなサイト

メリットやデメリットを知った上で、「自社サイトにCloudflareは必要だろうか?」とお悩みの方も多いでしょう。Cloudflareの導入を特におすすめできるのは、どのようなWebサイトであるかをご紹介します。
基本的にはどんなWebサイトにも推奨できる
現代のWebサイトは多くの場合で画像や動画、プラグインなどある程度容量が大きいデータを使用していると思います。このため、基本的にはどのようなサイトであってもCloudflareの導入で一定の効果が得られるでしょう。
特におすすめしたいのは、大容量で高負荷が予測されるサイト
基本的にどのようなサイトでもCloudflareによる効果は得られますが、特にCloudflare導入の恩恵を受けられるサイトには、以下のようなものが挙げられます。
・画像や動画を多く使用したWebサイト
・商品や商材の紹介に多くのデータを使用しているEC(通販)サイト
・その他、一時的なアクセス集中が発生しやすいサイト
Cloudflareの導入がおすすめなのは、使用しているデータ容量が大きいサイトや、アクセス回数の多いサイトといえるでしょう。
Cloudflareの料金プラン

Cloudflareの無料プランに含まれる機能
Freeプランは、Cloudflareの一部機能を無料で利用できます。利用できる主な機能は、下記の通りです。
・CDN:キャッシュサーバーにコンテンツを分散させてキャッシュサーバーから配信し、オリジンサーバーの負荷を減らしてサイトのページ表示速度を高速化する。
・WAF:Webアプリケーションをサイバー攻撃から防御する仕組み。CloudflareのFreeプランではWAFのルールセットも付与される。
・DNS:ドメイン名とIPアドレスを紐づけるサービス。
・DDoS対策:不特定多数から大量のアクセスでサーバーダウンを狙う「DDoS攻撃」への対策。
・Universal SSL証明書:HTTPSを使用するための証明書。
ほかに一部のBot対策も含まれます。他のプランで利用できる、画像の最適化やAMP、シングルサインオンといった機能は利用できません。ただし追加したい機能があれば、有償で追加することもできます。
Cloudflareの初期設定の方法と使い方
Cloudflareの導入は非常に簡単ですが、ここではおおまかな設定方法についてご紹介します。
サイトを登録してプランを選択
Cloudflareのアカウントを新規作成してサインアップしたら、「自分のサイトを入力します」と書かれたテキストボックスに、Cloudflareを導入したいWebサイトの「ドメイン名」を入力して「サイトの追加」をクリックします。
その後、プランの選択画面に進んで「PRO」、「Business」、「Enterprise」、「Free」のいずれかのプランを選んで「続行」をクリックします。
次にDNS設定の画面が表示されますが、通常利用の場合はDNS設定は変更せず進めて問題ありません。
ネームサーバの変更
WebサイトがCloudflare のネームサーバを参照するようにするため、次にネームサーバの変更を行います。DNS設定画面から続行を選択すると、ネームサーバ変更の画面に進みます。
変更画面に進んだら、画面上の「4.Cloudflareのネームサーバを追加します」という欄に表示された2つのネームサーバ名をコピーするなどして控えておきましょう。
次に、ご契約中のドメイン提供サービスの管理画面から、ネームサーバの設定画面を開きます。Cloudflareを利用するドメイン名を選択し、ネームサーバの選択を尋ねられたら「その他」を選びましょう。
ネームサーバの入力画面に、先ほどCloudflareの設定画面で控えた2つのネームサーバ名を「ネームサーバ1」と「ネームサーバ2」にそれぞれ入力し、設定を完了します。
次にCloudflareの設定画面に戻り、「完了しました、ネームサーバをチェックしてください」というボタンをクリックします。
ここまでの操作を終えたら、Cloudflareのクイックスタート画面が表示されるため、指示にしたがって動作を開始させます。
クイックスタートの設定
1.「始める」ボタンを押します。
2.「HTTPSの自動リライト」をONにし、「保存」を押します。
※HTTPSの自動リライト:httpから始まるコンテンツを自動的にhttpsにリライトする機能。
3. 「常にHTTPSを使用」をONにし、「保存」を押します。
※常にHTTPSを使用:常時SSL接続のこと。
4. 「Auto Minify」のすべての項目にチェックを入れ、「保存」を押します。
※Auto Minify:サイト表示の最適化。
5. 「Brotli」をONにし、「保存」を押します。
※Brotli:コンテンツ圧縮機能。
6.表示された設定内容を確認し、「終了」を押します。
以上でクイックスタートは完了です。
インターネットの高速化・安全性を確保するCloudflare

ここまで、Cloudflareの概要や導入メリット、設定方法について解説しました。
画像や動画は情報が伝わりやすいため、Webサイトで数多く取り入れることもあるでしょう。しかし、Webサイトの容量が大きくなってしまうと表示速度が遅くなり、SEOの評価や顧客満足度に影響します。
また、Webサイトでも脆弱性に対する攻撃や、DDoS攻撃などの攻撃を受けることもあり、セキュリティ対策を行わなければなりません。
Cloudflareは大規模なネットワークを有しており、いまや世界中の企業にサービスを提供しています。
自社のサイト表示が遅く、それによる顧客への影響を不安に感じているなら、Cloudflareの導入でサイトの最適化が行えます。Cloudflareなら同時にセキュリティ対策も行え、より高速で安全性の高いサイトの構築が可能となります。
Cloudflareに、アクセリアの運用サポートをプラスしたCDNサービスを提供
そこで、アクセリアではCloudflareの価値を最大化できるCDN運用サービス「Solution CDN」をご提供しています。
20年以上にわたる自社開発CDNの開発と運用で培った経験とノウハウを駆使し、定評あるCloudflareのサービスにプロフェッショナルによるサポートをパッケージ。セキュリティエンジニアによるSOCサービスも、オプションでご用意しています。
運用サポートを担当するエンジニアはすべて日本人で、円滑なコミュニケーションを実現。Cloudflareの利用中に起こった、お困りごとの早期解決を支援いたします。
Cloudflareの導入や運用にお悩みをお持ちであれば、ぜひアクセリアまでお気軽にご相談ください。
サービスにご興味をお持ちの方は
お気軽にお問い合わせください。
Webからお問い合わせ
お問い合わせお電話からお問い合わせ
平日09:30 〜 18:00
Free Service