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アクセリアが手がけるP2P (Peer-to-Peer)

           

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動画配信とP2P (Peer-to-Peer)

 近年、全Webコンテンツにおける動画の占める割合が急増しています。動画は既存の一般的なWebコンテンツに比べデータ量が大きい点と、時系列で連続したデータである点が特徴的です。
 視聴者が動画の視聴を開始した場合、Webクライアントが動画の視聴開始時間をデータの先頭として、連続的にWebサーバからファイルを取得し続けることになります。この様な特徴がある動画の配信は、人気のあるコンテンツであればあるほど配信ネットワークに対して高負荷をかけることにつながります。多くのインターネット配信事業者では、配信量に応じた課金になっているため、動画配信には多額の費用を支払う必要がでてきます。そこで、動画の配信をWebRTC[1] を用いたP2P(Peer-to-Peer)システムより行うことで、サーバ から配信される動画の一部をP2P システムで肩代わりすることができ、配信に関する費用を節約することができます。
 P2Pシステムとは、電子データを特定のサーバを介すること無くクライアント間で直接通信する技術のことを言います。P2Pシステムを利用する場合、特別なプラグイン等のソフトウェアをエンドユーザの端末にインストールすることを求められる場合もあります。しかし、アクセリアでは、Webコンテンツとしての動画データを対象として開発を進めています。あくまで、特別なソフトウェアのインストールは不要なWebブラウザでの利用を前提としています。

P2Pシステムを用いて配信する場合に必要なもの

 P2Pシステム を用いて動画を配信する利点として、配信に関する費用削減以外にも、サーバから配信するデータ量を削減することが可能な点があげられます。このことから、サーバへのネットワークの負荷軽減も期待できます。ただし、配信環境をP2Pシステムのみで代替できるわけではありません。
 P2Pシステムを用いて配信する場合には、各Webクライアントが持っている動画データを管理し、どのWebクライアントとどのWebクライアントをP2Pシステムでつなげればよいかなど、Webクライアント管理システムを構築する必要があります。
 なぜなら、各Webクライアントのネットワーク環境やCPU等のスペックによっては、P2Pシステムのノードに適さないかもしれません。接続方法や利用環境など事前に十分に検討・想定しておく必要があります。P2Pシステムが最も効率的になるのは、同時に多くのユーザが同一のコンテンツを視聴している場合です。そうでない場合(様々な人が別々のコンテンツを視聴しているなど)、なかなか効果を実感することは難しいでしょう。例えば、近年需要が増えつつあるWebセミナー等には向いているのではないでしょうか。

P2Pが動画の配信に向いている理由

 通常、動画などのストリーミングコンテンツはWebクライアントがある程度のデータをバッファリングするため、再生ポイント付近のデータは安定配信する必要がありますが、再生ポイントから未来のデータになればなるほどデータの取得に余裕ができます。そのため、再生ポイントから離れた場所のデータであれば、P2P配信のような不安定な配信基盤からデータを取得しても視聴者の不満につながりません。P2Pが動画の配信に向いている理由の1つです。

 まだまだ課題も多い技術ではありますが、すでに導入している企業・団体もあります。もしかしてうちの**に使えるかも・・・と思ったあなた、一度本格的に考えてみてはいかがでしょう?

参考文献
[1] WebRTC, WebRTC.org, https://webrtc.org/

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東原 大記

アクセリア株式会社 研究開発部 所属
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